【お受験ママの基礎知識2】公立中高一貫校に合格するには?
2016.07.11 子供の未来前記事「【お受験ママの基礎知識1】中高一貫校って何がいいの?」では、「うすい学園」の須藤先生と堀込先生に公立中高一貫校の魅力や特徴について、いろいろお伺いさせて頂きました。
公立中高一貫校への理解が深まったところで、重要な問題。「どうやったら公立中高一貫校に合格できるのか?」です。引き続き、うすい学園の先生方に伺ってみました。
Q5.公立中高一貫校の受験の特徴や必要な対策は?
須藤先生&堀込先生:
国語や算数といった単独教科の「入試」ではなく「適性検査」である点が特徴です。単純な計算力や暗記力ではなく、文章で答える記述式の問題がほぼすべてなので、グラフの読解や分析、そしてそれらを論理的にわかりやすく記述する力が必要です。また、教科書の範囲だけでなく、環境問題や社会情勢など様々な知識があると適性検査の対策に有利になります。
Q6.公立中高一貫校の準備はいつからすればいいですか? 6年生からでは遅いですか?
須藤先生:
適性検査が特徴的なので、準備は早ければ早いほど良いですが、6年から始めたから間に合わないということは決してありません。勉強量を増やし、的を絞った勉強をすることで十分に合格の可能性があります。
堀込先生:
低学年の時には、とにかくたくさん本を読むことが大切です。うすいでは4、5年生からPISA読解力講座を受講し始める生徒が多く、少しずつ中等対策を進めていきます。6年生から始める場合には、短期間なので密度の濃い勉強が必要となります。
Q7.公立中高一貫校に入るには、どんな勉強をすればいいですか?
須藤先生:
ずばりPISA型学力を鍛えることです。
*PISAとは……与えられた資料、グラフ、条件を元に問題の解決策を論理的に導き出し、相手に分かるように記述する力。
堀込先生:
適性検査対策として、文章読解や意見作文などの文系の対策と、グラフ分析や算数問題などの理系の対策をバランスよく勉強すること。また、学校の勉強も頑張って内申点を良くしておくことが大切ですね。受験する学校によっては、面接対策やプレゼンテーションの準備も必要になってきます。
Q8.公立中高一貫校受験専門の塾に行ったほうがいいですか?
須藤先生:
はい。小学校の授業だけではおろか、一般的な算数や国語のみの対策では、ほとんどの人が足りないと思います。単純な算数・国語の問題ではないので、専門の対策を行うべきです。
堀込先生:
知識重視のテストであれば、通信教育や自学でもある程度進められるかもしれませんが、適性検査の場合、自分が書いた文章と模範解答が全く同じになることはないため、自分では答え合わせが難しく、そういう意味では専門の授業で対策授業を受けることが望ましいです。
また、何かを覚えるのではなく、自分が書いた答えをさらによくするためにどんな要素をそういった順序で書くか、表現力や文章構成力を磨く必要があるため、一人で勉強するよりも同じ目標を持った仲間と勉強し、他人のうまいところをまねることがいい勉強になると思います。
公立中高一貫校の受験は、一般的な高校受験のような教科問題ではなく、適性検査なのですね。通常授業や自学では学べない分野なので、中高一貫校受験専門の塾があるのも納得です。
さて、群馬県には公立の中高一貫校3校以外にも私立の中高一貫校があります。
公立と私立の違いも伺ってみました。
Q9.中高一貫の私立校もありますが、違いはありますか? 受験対策も異なるのでしょうか?
須藤先生:
高校受験が無いという点では同じですが、学校ごとに力を入れている点が違うので、校風なども変わってきます。1度見学に行くことを強くおすすめします。受験対策も私立は学校ごとに問題が違うため、自分の興味のある学校の過去問題を研究することが必要ですね。
堀込先生:
私立はまず費用面で高くなります。また、私立は系列の大学などへの指定校推薦枠が多いです。
私立の入試は算数や国語のテストが主流なので、公立の適性検査対策よりも受験対策がしやすいです。最近では公立が第一志望、私立を併願校とする生徒が増えてきています。
まずは学校見学や資料を集めて、情報収集からですね。中学高校という貴重な6年間を最も良い環境で過ごすにはどういった選択が良いのか、子どもと1度話し合ってみたいと思います。
須藤先生、堀込先生、ありがとうございました!